トークセッションについての詳細です。


トークセッション
「香川のLGBTシーンについて」

 全国的にはあまり知られていないが、香川県はLGBTQ+に関する活動が早くから始まっていた。1995年に藤田博美により当事者団体「ハート・ショット」が立ち上げられ、その後「PROUD in 香川」「PROUD」「プラウド香川」と名称は変わっても現在までずっと継続している。また2005年には、LGBTQ+に関する映画を上映する「香川レインボー映画祭」も立ち上げられ、15年のあいだ欠かすことなく毎年開催されている。
 近年は行政や教育機関・自治体に対して講演活動をする当事者も増えた。2016年には谷昂頼と福井瑞穂による「あしたプロジェクト」が発足。学校や自治体に向けた講演活動や高松市との協働企画提案事業も行われている。
 2018年にはLGBTQ+の存在を可視化する写真展「OUT IN JAPAN SETOUCHI」を開催するために、高野晶を中心とした「瀬戸内LGBTプロジェクト」が発足。昨年高松でレスリー・キーの手により撮影された写真をメインに、今年も写真展が開かれる。
 また2015年には「同性婚人権救済申立て」に、香川県からは藤田博美と田中昭全と川田有希の3名が名前を連ねる。今年の2月には「結婚の自由のすべての人に」という名称で同性婚を求める訴訟が始まり、田中昭全と川田有希のカップルが原告として参加している。
 またこのトークセッションの日、藍川逸美を中心として「丸亀レインボーパレード」が開催される。丸亀市で検討されていたパートナーシップ制度が、昨年保留になったことを受けての行動である。性の多様性を主張し行進するプライドパーレードは、中四国で初の開催となる。
 パレードの直前に、キーパーソンとして動いている人たちが一堂に会して話すことで、香川県におけるLGBT運動の流れを俯瞰してみたいと思う。


日時:2019年8月25日(日)10時開始
会場:香川県丸亀市大手町2丁目4番24号 大手町ビル6階 「田岡・佐藤法律事務所」
参加費:無料
登壇者:
・藤田博美(「プラウド香川」代表)
・高野晶(「瀬戸内LGBTプロジェクト」代表)
・谷昂頼(「あしたプロジェクト」代表)
・福井瑞穂(「あしたプロジェクト」副代表)
・田中昭全・川田有希(「結婚の自由をすべての人に」訴訟原告)
・藍川逸美(「丸亀レインボーパレード」代表)
問合せ:aquizen916@gmail.com
企画:川田中商会
主催:瀬戸内LGBTプロジェクト実行委員会







・藤田博美
「プラウド香川」代表
 1971年琴平生まれの高松育ち。小学校時代は本屋のマンガコーナーに入り浸り、中学高校時代は映画サブカルチャーオタク。23歳(1994年)よりLGBTQコミュニティに参加し、24歳(1995年)の時にプラウド香川の前身であるハート・ショットを友人と設立。
 プラウド香川は、LGBTQなど性の多様性を尊重する社会作りを目指し、交流・啓発活動等を行っている団体。1995年5月香川県高松市で発足。現在は、交流会、講演会、パネル展、映画祭などを開催している。 会員制度もあるが、来られる時に参加する自由スタイル。一緒に活動できるストレートアライの人も歓迎!







・高野晶
「瀬戸内LGBTプロジェクト」実行委員長
「プラウド香川」副代表
 自分らしく生きるLGBTたちのメッセージを、瀬戸内から世界に届けるプロジェクト「瀬戸内LGBTプロジェクト」。LGBTの情報の発信・エンパワーメントになる活動に取り組む。
 2018年には四国初開催のカミングアウト・フォト・プロジェクト「OUT IN JAPAN SETOUCHI」を開催。
 ビューティーカウンセラー。高松で初めて男性から女性に戸籍の性別を変更したトランスジェンダー・アクティビストとしても、社会的な活動を続けている。







・谷昂頼
「あしたプロジェクト」代表
*写真は「あしたプロジェクト」のふたり。右が谷昂頼で左が福井瑞穂。
 昭和61年生まれ。性同一性障害当事者。高松市出身、県立私立高校卒業後、日本女子体育大学体育学部卒業。
 現在は、高松市内の歯科医院にて勤務をしながら「あしたプロジェクト」として学校現場を中心に講演活動を行う。
 平成29年度高松市協働企画提案事業に採択され、高松市からの委託により教員向けLGBTについてのパンフレットを制作。平成30年度香川県LGBT電話相談事業(平成30年8月~)相談員。







・福井瑞穂
「あしたプロジェクト」副代表
 シンガーソングライター、ピアノ調律師。
 高松市人権施作推進懇談委員。
 トランスジェンダー(FTM)当事者として、香川県内の小中高校生向け、職員向けに年間20件以上の講演会を実施。弾き語りのライブや、クイズを取り入れた講演会は、子どもにも大人にも大好評。年々、講演依頼数が増加中。







・川田有希&田中昭全
「結婚の自由をすべての人に」訴訟原告
 川田有希と田中昭全は、香川県三豊市に暮らす同性カップル。結婚状態になって、今年で12年目を迎える。
 『同性同士で結婚ができないのは憲法に定められた基本的人権を侵害している』として、今年の2月に全国12組のカップルと共に訴訟を起こした。正式名称は「結婚の自由をすべての人に」訴訟という。大阪地方裁判所にて、第1回と第2回の期日が終わり、第3回の期日を10月に控えている。
 2015年には全国455人の当事者と共に、「同性婚ができないことは基本的人権を侵害している可能性があるので調査をしてほしい」という旨を日弁連(日本弁護士連合)に対して申立てた。今年の7月、ほぼ主張通りの意見書が作成され、内閣総理大臣や法務大臣、衆議院、参議院に提出された。2015年の申立て時と、今年意見書が出された際の記者会見にも出席している。
 川田有希は、舞台の制作を請け負う「シアター・デザイン・カンパニー」のメンバー。
 田中昭全は、家業の町工場で働きながらアーティストとして表現活動をしている。
 ふたりでは「川田中商会」という名前で、イベントプロデュースなどを行っている。
 また「プラウド香川」のメンバーであり、「瀬戸内LGBTプロジェクト」のメンバーでもある。田中は、LGBT関連の講演活動も個人的に請け負っている。今年の秋にも香川県内での講演が多数確定している。







・藍川逸美
「丸亀レインボーパレード」代表
 1981年生まれ。一児の母。幼少期はじゃじゃ馬。習い事が嫌いで脱走経験もしばしば。中学の頃にセクシャリティに違和感を持ち大学生の時に大阪のレズビアンイベントでクラブデビューを果たし、大人の階段を登る。香川でもそういうイベントがあれば良いなぁと思っていた時に知り合いからスカウトされ丸亀のゲイバーFを間借りして、ガールズオンリーイベントであるアデージョ達のエンヴィナイトのスタッフをしていた(2008〜2012)その後、運命の悪戯?により結婚、妊娠出産、離婚と短期間で色々経験し、今に至る。丸亀レインボーパレードもやらないか?と言われ即答してしまうくらいお祭りが好きである。自ら命を絶ってしまった友人達のために、今生きている仲間達が、これ以上哀しい思いをしないで済むように私はパレードを通してLGBTQの啓発活動を続けていく。